満足

専業農家になって一年半、良く言えば農業三昧、悪く言えば農業中毒のように休みも無く、がむしゃらに取組んできた。

ある人は「頑張るねー!?」と。また、「天職だねー!?」と言ってくれる人もいる。自分自身はどうかと思えば、特に受け狙いで取り組んできたつもりはない。

強いて言うならば、満足の追及の結果かな?と思っている。今、国が進めている農業改革(六次産業化等)に興味は全くなく(机上の空論にばかばかしくなる)、農業の職人として、満足のいく作物を作りたい一心で、毎日試行錯誤を繰り返している。

一例は、緑肥作物の導入による、土壌改良(土壌線虫対策、物理性向上等)や、省力化の追求(二本取り大根等)、抑制栽培の拡大、安心安全の確保(ネット資材等の活用)などである。

一言で、満足のいく作物を作りたい。(たわわに実った真っ赤なりんご、抱えるようなキャベツ等)といっても、なかなかハードルは高いものがあり、一朝一夕には出来ないものであることは承知の事実である。

気候風土、品種、肥料、土壌特性、播種時期、病害虫の発生等、さまざまな要因が複雑に絡み合って、収穫となるわけで、少しでも悪い要因を排除出来ないか、試行錯誤し、新しい工夫を取り入れている。

その結果が、満足のいかない品質であったり、収量であったとしても、大きな落胆に止まらず、何かを成し得たという違った満足を感ずることが出来るのである。

そして、さまざまな要因がベストマッチし、「立派な大根が出来たねー!!」と感嘆を受ける満足につながるものだと確信している。