農業はブラック企業か?

風薫る5月に入り、直売品の収穫を当日(直売日の朝)に切り替えました。通年に渡り、当日どりのフレッシュな野菜を販売したいのですが、日の出が遅い時期は開店時間までに作業が追い付かず、日の出が早く成って来た5月から当日どりが出来るようになる訳です。

さて、直売の朝は、4時過ぎに起床、5時過ぎに出発し、道路事情も良いことから畑には5時30分過ぎに到着します。この時期はちょっと肌寒いですね。

収穫、調整、袋詰め等を行い、8時過ぎに畑を出発、9時前には自宅に到着です。(通勤ラッシュに合うと最悪です)直売の準備をしてから、朝食を食べ、すぐ畑にリターンです。(この時期畑が超多忙のため直売は妻の担当です)

畑では、種まき、苗の移植、草刈り、除草、側枝等の整枝等々、作業は目白押しです。自炊の昼食をはさみ、気が付けは夕暮れとなり、農業日誌を付け、18時過ぎに畑を後にします。

普通の日でも10時間、直売日だと12時間も農作業にかかわり、土・日曜日の休日も無く(ただし雨の日は無条件で休みです)これではブラック企業そのもので、後継者が出来るはずもなく、日本の農業は絶滅危惧となっている訳です。

労働基本法という法律があり、過度な時間外労働等による自殺問題等から「ブラック企業」が問題視されていますが、農業は、自然条件に労働形態が影響を受けるとして「労働時間・休憩・休日」の規定は適用除外とされています。知らなかったですね。

労働時間に戻りますが、私などはまだましな方で、知り合いには、日の出から畑に出て、夜間はヘッドライトを付けて作業をしている豪の者もいるのです。なぜそれほどまでにと思いますが、共通項は「農が好きだから」に尽きると思っています。

農業ではなく、「農」です。
農業というと、生業という感性が強く感じられますが、「農」はもっと大きな感性、慈しむ、癒される自然との対峙があるからではないでしょうか。